大阪の幸朋カウンセリングルーム・用語集

用語集:日本人の成り立ち

日本でカウンセリングを行なう上で、日本人というものの成り立ちを深く考えておくことは、かなり大切だ。

最近のDNA研究や形態人類学的研究によれば、おおまかに言って、現在の日本人は、狩猟採集民であった先住民(縄文人・古モンゴロイド)たちの土地に、稲作民であった大陸の人々(新モンゴロイド)が長い時間をかけて大量に移住・混血したことによって成立したらしい、ということが分かっている。

支配・被支配の関係でいうと、混血が漸次進んだので複雑ではあるものの、もちろん支配階級はほぼ後者が占めることとなり、先住民である前者は支配された側である。

我々自身気づくことは少ないが、日本人の心理には2つの面がある。
1つは、自分の身体で感じ自分の頭で考えて状況に即応し、かつ階級という意識が極端に低い狩猟採集民的性質。
もう1つはひたすら集団の規範を忠実に守ろうとし、強い階級意識を持つ農耕民的性質である。

支配・被支配の関係性から考えても、狩猟採集民的性質が農耕民的性質によって抑圧されているというのが、日本人の深層心理の基本的構造なのかもしれない。

このことは、個人の心の内部や家庭・学校・会社などの集団において、しばしばアイデンティティーや人間関係の混乱をきたす原因となっていると思われる。

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